セーヌ川での開会式から始まり、トム・クルーズ登場で幕を閉じたパリオリンピック。日本は金20個、メダル総数45個という輝かしい結果を収めました。
スケートボードやブレイキンなどの新しい競技や若い選手の活躍に加えて、乗馬ではベテラン勢の活躍も見られ、明るい未来を感じる結果となりました。続くパラリンピックでも、史上最多の168カ国が参加、日本選手も過去最多の175選手がエントリーしました。金14個は前回の東京オリンピックを上回り、メダル総数は41個に達しました。
さて、今大会では、審判の判定が多くの議論を呼びました。批判や論評はさておき、アスリートが最大限の力を発揮できるのは、公正なジャッジが行われるという基盤があるからです。この信頼があることで、選手たちは安心して競技に挑み、自分の能力を存分に発揮することができます。
同様に、私たちの社会においても、公正で透明な行政運営があってこそ、市民や民間企業の自由で創造的な活動を支え地域の発展につながる基盤となります。
私は、民間からスタートし、その後公職に転身、市議2年、県議10年、市長4年という長い期間、いわば官の世界に身を置いてきました。その間、官の役割を全うする責務を強く感じつつも、一方で、「株式会社鴨川市」との発想のもと、官と民の役割について常に考えてきました。それは、やはり「民」の力が最大限に発揮されてこそ、地域の振興や経済発展につながるという確信からでした。
そして、そのために「官」が果たすべき重要な役割は、「審判」として公正にルールを運用し、民間企業や市民が自らの力を存分に発揮できる環境を整えることです。地域の振興や経済発展は、一方的に進められるものではなく、市議会が果たす機能を筆頭に、公正な基盤の上でこそ、住民一人ひとりの力を活かした持続的な発展が可能となります。
現在、私は「民」の立場で、自分の限られた能力の範囲で、地域の振興や経済発展を実践しています。多くの可能性を秘めた鴨川という地に、公正で信頼できる「官」という基盤を整え、私たちの生活や経済の基盤である「民」の力を最大限に発揮し、「法と経済のバランス」に照らし合わせ、官・民が真の協働を成し遂げ、鴨川市を活性化させ、住民の暮らしの安全と安心を実現するためには何が必要か考えてみました。そして何より、次の世代の市民、そしてリーダーのために「みらいの鴨川に必要なコト」は何か、多くの方々の意見も踏まえ、本号を発行しました。
次号以降では、更に広く皆様のご意見をいただき、よりよい「鴨川のみらい」を次の世代に残したいと思います。
亀田 郁夫